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医師になりたい③~医師を目指すうえでの原点に出会った話~

高知医科大学(現 高知大学医学部)に入学した私

とにかく「医学」「人体」に関連する勉強が楽しかったです

けれど、低学年のうちは

 

「生理学」「細胞学」「免疫学」「微生物学」「病理学」「解剖学」

 

楽しいけど、楽しいけど

座学がほとんどでした

 

今、自分が学んでいることを、もっとスケール大きく捉えられる学はないのかしら・・・

 

そう思って入ったのが「フィールド医学研究会」

今は京都大学名誉教授になられている松林公蔵先生率いる 老年病科Drと、医学生の集団でした

 

~「フィールド医学」は疾病、老化のありさまを、自然環境、文化背景との関連でもう一度、捉えなおそうとする研究領域です~

患者さんにはどんな家族や仲間がいて、どういう場に暮らし、何を食べ、どのような課題を抱えているのか。

目の前の一人の患者が抱える病気の原因や予防・治療方法を考えていくと、その背景には様々な要素があり、

医学の枠にとどまっていては解決見えにくいことが多い。

現地で人々の生活や問題に寄り添いながら、そこで湧いてきた問いを大事にし、追究していく。

生活の場に根ざした一人一人の健康を追求していく医学を目指す。

 

ここに集う先輩方や先生方は、とても個性的で楽しく

ガチガチに真面目一辺倒に学生生活を送っていた私を

柔らかく受け入れてくれました

凸凹な学生が多かったかもしれませんが、

私には最高に居心地がよかった場所です

 

日本国内に留まらず、世界各地に調査に出るこの研究会は

当時はなかなか受け入れられず、異端児的な扱いをされたこともありました

それでも、学生でありながら老年病学会で発表させて頂いたことは貴重な経験となりました

 

そして

「高原さんはね 肩の力を抜いていいんですよ 

誰よりも頑張り屋さんなんですから」

そう、穏やかに松林先生に話しかけられた、ソウルの夕食の味は、今でも鮮明に覚えています

 

医師は、目に見えるようになった病気について考え、治療に専念する

それは絶対的に間違ってはいません

それが医師の使命でもあります

 

だけれど、もっと根本的なものを観ることが出来れば

病に苦しむ前に

もう一度、どこも痛くない なにも苦痛ではない 毎日を送れるのではないだろうか

 

そう考えた きっかけです

 

あれから30年

今も研究会は毎年、長寿の村へ健康診断にいき

当時 一緒に川で水浴びした先生は チンパンジー研究と東南アジア研究で御高名になり

毎年のようにブータン王国に国賓として呼ばれています

 

病気のみではなく

その人と向き合いたい

 

これが私の医師としての原点です

 

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